綺麗なジャイアン

リリイ・シュシュのすべての綺麗なジャイアンのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
2.0
《癒えなかった傷、癒えたかもしれない傷、癒えるはずだった傷、広がって広がって、カラダが全部、傷になっちゃったら?それでもRe(再生)するなら、それが『回復する傷』。》


あー正直刺さらんかった。
多分この作品を観るには大人になりすぎてしまったんやと思う。

人生で一番辛かったとき、この世界とは言わんでもこの教室の中だけは自分が一番不幸やと感じてたときにこの作品と出会いたかった。そしたら今とは違った感想になったかも。
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自分を救い続けてくれた存在が、
自分を傷付ける人の事も
同じように救ってると知ったら?

今の自分なら、
『自分と同じようにこの子も救われてきたんや』
それなら理解出来る部分があるんかも。
もしかしたら、似てるところがあるんかも。
…とか思えるかもしらんけど

昔の自分なら、
『自分を傷付けてきた人さえも救ってしまうならもういらんわ』
って感じてしまうかな。
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繊細な頃の感情を思い出したいけど、
もう思い出されへん。
こうして自分が子供の頃に嫌いやった大人になっていってしまうんやろうな。

子供の気持ちなんて分からん大人に、自分がちょっとでも近付いていってることに気がついて悲しくなっちゃった。
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自分は小さい頃から「ここが世界の全てじゃない」って思ってたからあんまり共感できひんかったし、とにかく星野ボコボコにしたかった爆笑爆笑爆笑

でもそんな星野も救われたがってるんやもんな。

《誰か!誰か!誰か!》
そんな時に救ってくれたもの、自分にとってのリリィは映画やったな、としみじみ思った。

透明なエーテルかぁ、子供の頃の自分に教えてあげたかったなぁ。

もう自分には刺さらんから、評価2.0やけど、この作品が刺さったかもしらんあの頃の自分にもう一回会いたいなとは思えた。