浅野公喜

ポーリーの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ポーリー(1998年製作の映画)
4.1
おしゃべりで人間とも会話出来るポーリーという名のインコが元の飼い主である少女を探すロードムービー的要素を含むファミリードラマ。エイミー・アダムスも好きな映画だそうです。

吃音持ちの飼い主の少女や研究所のロシア人の清掃員はじめ、ポーリーが出会う人々はキャンピングカーを運転する視力が落ち始めている老人女性だったり、チカーノ(メキシコ系アメリカ人)、詐欺師だったりと個性豊か且つ社会的なもの含め弱さを抱えている人達ばかりで、ポーリーが彼らの人生を豊かにするのが清々しく、ポーリー自身は彼らから人生の意味や人間の道徳を学んで行く流れは老若男女がおそらく楽しめるものだと思いました。「沈黙は金」ということわざも有りますが「思いを言葉で伝えること」の重要さがポーリーそしてキーパーソンである清掃員を通じて語られているのも良かった点。

途中詐欺師がテレビで観ているのがヒッチコックの「鳥」だったり、劇中で流れる(&ポーリーが歌う)のがトム・ジョーンズ「What's New Pussycat?」やウォー「Low Rider」等妙に凝ってるのもユニークで、少女役はジェシー・アイゼンバーグの妹のハリー・アイゼンバーグ、老人女性をニック・カサヴェテスの母ジーナ・ローランズが演じ、他にもネズミ映画「ウイラード」の主人公だったブルース・デイヴィソン(ネズミが逃亡するシーンも有りますがスタッフの遊び?)、「地獄のデビル・トラック」のローラ・ハリントンも出演しています。

90年代の動物や子供メインのファミリー映画の充実ぶりを改めて実感した一作。
浅野公喜

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