みかんぼうや

キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

3.9
「アーティスト」でサイレント映画に目覚めた私。早速サイレントの傑作コメディである本作を視聴。最初は、軽い気持ちで観られるコメディとして楽しんでいたのですが・・・だんだんと本作の底知れぬ凄さで途中から完全に虜になっていました。

その凄さの1つは、この単純さ、そして単純なのにこれだけ面白いということ。後半なんて、ただひたすら走って逃げてるだけ。なのに、画面に釘付け。ストーリー性よりもエンタメとしての仕掛けの連続がひたすらに気持ちいい。なんというか、子どもの頃に単純なパラパラ漫画がやけに面白く感じた感覚。

そして2つ目の凄さ。1920年代という、CGはおろか、撮影技術や専用のセットなども今と比較にならない簡素なものだったであろう時代に、「どうやってこのシーン撮ったの?」と驚かされるシーンがてんこ盛り。派手なわけではなく、さらっとやってるんだけど、実はかなり危険な撮影だったのでは?と思うシーンが多い。これもまた、画面に釘付けになる所以か。

たくさんの有名なクラシック音楽で構成された劇伴もまた作品に合っていて良し。これは・・・やはり、サイレント映画というジャンル、かなり好みの予感!?
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