鷹梨ろぼこ

スラムドッグ$ミリオネアの鷹梨ろぼこのネタバレレビュー・内容・結末

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2023年、年越し鑑賞映画。2度目。

2021年、シンドラーのリスト
2022年、パラサイト半地下の家族
2023年、スラムドッグ$ミリオネア


改めて見て『あぁ、カンヌじゃなくてアカデミーの作品だな』と感じる作品。

カンヌとアカデミー
受賞作は明らかに毛色違いますからね。
アカデミー賞をとる作品は比較的分かりやすい。
(パラサイトは例外すぎる)

自分の心に嘘偽りなく、正直に生きてきたことが全て、今日の答えに繋がっている。全てはこの日の為に。この日の為に生きてきた…

クイズ形式をとることで、現代と過去を織り交ぜながら交互に描くことに成功している。

問題が出される→回想に入る→その中で答えを探る→正解する→結果的に彼の人生の一部を見ることになる

それを繰り返しながら進めることで、無理なく彼の生い立ちを知ることが出来る。物凄く過酷で辛いストーリーだけど、構成と演出が凄い。テンポが良いからダラダラしない。

そしてクイズが正解するかどうか、緊張からの緩和。それを何度も繰り返すから精神的にも鬱陶しくならない。

そして今、自分はどうするか。兄はどうするか。彼女はどうするか。選択を迫られてそれぞれが選んで1つの答えに辿り着いていく。

『んなわけあるかい』なのは物語だから仕方ないとして、携帯が繋がるか繋がらないかのシーンは本当に心臓が止まるかと思った。ドキドキしすぎた。
兄の死は辛かった。金に埋もれながら死ぬことは、金への当てつけでもあっただろうな。

やっと話せた2人。テレフォンなのに答えを聞くこともなく会話できたことを喜ぶ姿に涙が出る。
答えなんて聞き出すこともないままテレフォンは切れて、全問正解へ…

全てが終わり10年以上の時を経てやっと結ばれた2人。壮絶だったが良かったなと…

そのタイミングで突然始まる、陽気なエンドロール。インド映画らしい楽しいダンスと音楽。しみじみした雰囲気も全部吹っ飛んで、悪役も踊る姿にクスッと出来ちゃうのも好きです。

視聴者『余韻は…?』

ってなっちゃう終わり方(笑)
インド制作じゃないのに、インド映画としてエンドロールまで徹底してて。良いですね!

クイズショーは彼の愛の物語でした。
鷹梨ろぼこ

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