この映画は1988年の民主化の翌年、ソウルオリンピックの年に公開された映画ですからね。
軍政権が終わったというものの、マンスは政治犯として収監された父親の連座制で苦しみ、その助手のチルスはアメリカで生活する姉からの移民招聘状を待っています。
実際映画を取り巻く状況も、軍事政権下で反体制的な中身を作れるわけもなく、「桑の葉」などの大衆エロチック作品が多く作られた世の中。実はこの映画はそんな中”コリアンNewWave”の1本として歴史に名を残す作品です。
もうなかなか観ること出来ないと思うので、ある程度中身を記します。
<韓国film archiveでリマスターされたものを公式youtube(韓国版)で視聴しました。職場の韓国の方に探してもらい、アドレスをもらって直接観ましたが、字幕は当然ありません笑>
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そんな時代、映画などの大看板のペインターの仕事をしている二人が或る日自分たちが書いたビルボードの上で大声を出してふざけています。
高すぎて声は届かず、警察らは政治的なデモだと思い込み、何やら大ごとになっていきます。チルスは警察に連行され、マンスは・・・
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映画としては、このクライマックスの伏線として高所作業するマンスと下にいるチルスが「聴こえねえよ」と話すシーンも出てきます。
これが絶妙に生きてきます・・。
また、出てくるゲーセンのゲームが古い古い!!
そして洋画がかかっている映画館の看板!!「トップガン」に「リーサルウェポン」。映画館デートのくだりでは「ロッキー4」ジェームスブラウンのシーンですよ!!さらにディスコでかかる曲がリックアストレイ「Never gonna give you up」!!・・ああ懐かしい頃。わし22歳かあ。
あとね、ヒロイン役のペ・ジョンオクさんって「潔白」で痴呆のお母さん演じてる方です。
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