〖1950年代映画：人間ドラマ：松竹〗
1951年製作で、美空ひばり主演で貧乏でも健気に生きようとする兄と妹を描いた人間ドラマらしい⁉️

2024年60本目

• #2024年鑑賞
• #1951年製作
• #人間ドラマ
• #松竹
• #美空ひばり

ひばり映画という特殊ジャンルについて考えさせられる作品かもしれない。そもそも条件が特殊なんだよ。「当て書き前提」「歌唱シーンの盛り上げ方」その上現場じゃ、ひばりママが絶対的な権力者だったんでしょ。「当て書き」が条件なら、ひばりのような唯一無二の天才には現実味がないので、現実ばなれした話、「時代劇」だの「ミュージカル調」だのが合っていると思う。そしてひばりの歌だけど、クラシックもそりゃこなすだろうけど、観客のニーズに合っているとは思えない。つまりだ。「監督主義」「脚本重視」の大船調、城戸イズムとは真逆の路線なのでね。これは松竹京都の製作らしいが、そりゃ東映に移るよなあ、と。ひばりのスター性だの歌唱力だのを生かす監督、そして脚本という言語をこえた芸術表現について、松竹の課題をドンピシャつきつける存在が美空ひばりだったのかもね。千葉泰樹のようなフリーランスの監督でいいと思うよ。

• #松竹
• #京都

ヒットメーカーで高水準映画連発の千葉泰樹監督が、美空ひばり歌謡映画の本作に於いても職人芸を発揮して感動作に仕上げた。兄日本のジャン・マレー岡田英次は、真面目一方の好青年で元機関兵の技術を活かして自動車修理工。妹美空ひばりは、小学6年生で卒業式で総代、壇上で歌を披露する予定から、岡田に新調の服とレインシューズを買って貰ったが、岡田が戦友木村功を電車高架下アパートに泊めたお陰で盗まれた。更に、金を貸した相手は密輸犯で巻き込まれて岡田は留置された。ひばりは、スリで輝くようにハイカラな桂木洋子に救われたが、居酒屋主人進藤英太郎に店で歌へと強要された。そこへ岡田がやって来て、子分三井弘次に乱暴を受け負傷し、見舞いに来た桂木と相思相愛となる。だが、再びひばりが進藤に拉致され、交換条件は、モーターボートを運転し密造ウィスキー運搬に協力する事だった。しかし、犯行はばれて岡田は警察に撃たれて死ぬが、ひばりを桂木に託した。助演の木炭車タクシー運転手杉狂児、元オペラ歌手藤原釜足が印象に残った。