忠臣蔵と題名に付いていますが、赤穂浪士の忠臣蔵モノではなくて次郎長ヤクザの仇討ちモノでした。赤穂浪士の忠臣蔵を下敷きにしたもじり作品ですね。なので吉良が浅野内匠頭にしていたような陰湿な苛めの演出はなくてヤクザの権力争いが事の発端で物語は進みます。けれどそれ以外はわりと忠臣蔵の演出に忠実でした。浅野内匠頭代わりのヤクザの親分に宇津井健、大石内蔵助代わりのヤクザに市川雷蔵、立花左近代わりの通行手形を貸してくれるヤクザに勝新太郎が顔を揃えています。松の廊下の殿中でござるがなくて寂しいけどこれはこれで楽しかった。