Moomin

チョコラ!のMoominのレビュー・感想・評価

チョコラ!(2009年製作の映画)
4.6
ここまでしてと言う程子供にカメラが寄り添う 表情だけでなくそれ以上のものまで切り取っていく それは日常であったり瞳であったりと様々 そんなカメラワークが非常に勉強になったと同時にプロのレベルに圧倒された
実習中なので色々考えることはあるけど、やっぱりカメラの画角って本当に悩む 劇映画と違って取材対象者さんの流れに流される場合が多いし、画角を決めるのに数分でさえ時間をかけていられない状態
これは現場での経験と感覚。そして膨大なる映画の鑑賞数に相応するんだろうなと日々感じる
どんな映画を観ても思うのだ
「もっと映画を観ないとなって」

ケニアのストリートにいる子供達を映す
朝町一番に起き麻袋を持ちゴミを漁る そしてお金を得てシンナーだったり食べ物を買う 日常を写しているのだが、そこには非常にパワフルで生き生きとした子供たちがいた
家族にお前は何がしたいのかと問われる
その時の子供の瞳は映画の映像表現を強く感じる
アンドリューが実家に帰った時、弟と手を繋ぎ撮ってよとカメラマンに向けて言う 一緒にいた犬と後ろにただ座っていた女の子もカメラに顔を向ける ツーショットのはずが奇跡のフォーショット お気に入りのシーンです

追記 付属のチョコラの解説書を読んだ
小林茂さんの「なぜおせっかいにも遠いアフリカまできてカメラを回すのか」という自問に対しての答えが正しくこの映画の表現そのものだった
加えて出演してもらった子供たちのその後が書いてあり、少し苦しい情報もあった
この撮影の人物との異常な親近差は5ヶ月で作り上げたものだと知った 5ヶ月で120時間の素材… 撮影後半の街の人々がカメラを受け入れたシーンがよく使われたそうだ 映画への執念だ
特別協力 作品に尽力された佐藤真さん 「阿賀の記憶」からの小林茂さんとの関係 公開前にお亡くなりということで ここにてご冥福をお祈り致します
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