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『ヘンリー・ミラーの性生活/クリシーの静かな日々』に投稿された感想・評価

3.5
【デンマークポルノ映画史重要作】
※卒論より引用

ヘンリー・ミラーの自伝的小説である『クリシーの静かな日々』の映画化。フランス・クリシーのとあるアパートに住む小説家ジョーイとカメラマン・カールが部屋に次々と女性を連れ込み性交に明け暮れる様子を白黒画面と手持ちカメラによるドキュメンタリー的撮影で描いた作品。
 本作は実際にフランスでロケされており、ヌーヴェルヴァーグを意識したありのままの街を映し出している。そして、性描写に関してもカメラが積極的に性交に明け暮れる男と女に迫り、さらにはトイレでの何気ない会話をも撮り収める。

フランスのクロード・シャブロル監督が手がけた、『クリシーの静かな日々(QUIET DAYS IN CLICHY,1990)』と比較すると、2つの違いがある。

まず一つ目は、美術である。フランス版は豪華絢爛な建物内で、細部までこだわった衣裳を着飾った人々が遊戯に励む娼婦館模様を描くことで、プルーストの『失われた時を求めて』、ソドムとゴモラの章に対するある種の再現を試みている。『失われた時を求めて』のソドムとゴモラの章とは、第一次世界大戦中のフランスを舞台に主人公である「私」が発作を起こし、宿に急遽泊まる話である。そして泊まった宿の部屋の近くから、音が聞こえるので「私」は恐る恐る音のある部屋を覗くと、知り合いのシャルリュス男爵がマゾヒスティックな行為を行っていたことが分かる。さらに、毎晩多額の金額を払って人を雇い、そのような行為を行っていることを知るという展開になっている。つまり、戦争とは無関係に金と時間を費やす富豪のデカダンスな生活をシャブロル監督は再現しようとしている極めて文学性の高い作品となっている。

一方、デンマーク版では確かに、『失われた時を求めて』を引き合いに出すものの、基本的には低予算ポルノ映画である。ジョーイとカールの出会う敬意を描くこと無く、冒頭から性交シーンが展開される。

二つ目は、ジョーイとカールが性交する場所である。フランス版では、ジョーイとカールは娼婦館で性に溺れていくことに対し、デンマーク版では娼婦館内部の様子は全く描かれない。彼らは街中で女性を捕まえて、部屋におびき寄せて行為に励む点フランス版と明確に相違が生じている。
デンマークのイエンス・ヨルゲン・トールスンの監督脚本による、ヘンリー・ミラーをモデルにしたという風俗映画。ヘンリー・ミラーの名を借りた洋ピン。江東リッツにて。
アメリカからパリにやってきた作家は、友人と共に娼館に入り浸る。
退廃を絵にかいたような展開だが、美少女の登場で男どもは狂わされていく。
原作はヘンリー・ミラー、美しい女性のヌードが氾濫するが、よくわからなかった。