200年という歳月を生きたヴァンパイア・ルイが過去を回想するスタイルで語られる本作
この作品の美しさは、"ヴァンパイアとして生きる苦悩・葛藤"を描いているところにあるとわたしは思う
ヴァンパイアになっても人間の心を捨てきれず、人間の襲い血を飲み、命を奪うことに躊躇うルイ。
一方でそのルイを、自分の伴侶にとヴァンパイアにしたレスタトは、人を襲うことに躊躇は全くない。
正反対の二人…
ルイはレスタトに対して罪なき人を襲うヴァンパイアとしての生き方に許容できず、複雑な感情を抱いているが、レスタトから離れられない…愛憎感情が。
レスタトはそんな人間的なルイに惹かれて仲間に取り込んだわけで、彼を手放したくない…と依存している。共依存。
つまりヴァンパイアというのは孤独
永遠の命を生きなければいけないから。
ひとりでは寂しすぎるから。
言わずと知れた名作「ポーの一族」
この漫画でもヴァンパイアの孤独を感じる台詞がある
“おいでよ…… きみもおいでよ
一人ではさびしすぎる…… ”
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