あきら

仮面/ペルソナのあきらのレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
4.6
冒頭からもうただ事じゃない感がビシビシきますね。やっぱすごいわベイルマン。
まばたきひとつしない女優の顔を静止画で暗くしてくのとか、カットへのこだわりが鬼。

嘘ばかりついて弱さを逆手にとって偽っているから生きていられてけど、曝け出したくて疲れててでも誇り高すぎて自殺もできない。

本心を語らない女優を前にして、勝手に暴かれていってしまう心理。
憧れて嫉妬して恐れてそれでも嫌われたくないって縋ってしまう独占欲とか、醜悪が愛しく思えてくる。えぐいわ……
視線の深度が深くなりすぎると境界まで揺らぐ、反復することで自我も歪む、精神医学でいう転移ってこんな感じなんだろうか。

静謐にも見えるけど、攻めてるな〜と感じました。

最後まで見ての冒頭のカットの意味に泣いた……
あきら

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