真夜中

ソウル・サーファーの真夜中のネタバレレビュー・内容・結末

ソウル・サーファー(2011年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

かなり前に「アンビリバボー」か何かでベサニー・ハミルトンのことが紹介されていて、片腕を失いながらも病室では笑顔で振る舞い、事故からわずか一か月弱で海に戻り、元気に波に乗る彼女の姿が印象に残っていました。

天才少女サーファーとして輝くような未来へと歩み始めた矢先に事故に遭い、一転して絶望の淵に追いやられた少女が天性のポジティブさと海を愛する気持ち、
そして家族や親友といった周囲の人々によって生きる意味と夢を取り戻してゆく姿がとても感動的でした。
ハワイという土地柄なのか本人も家族もそれほど悲観的にならず、とても大らか。
その明るさが救いになっていて、お涙頂戴ものとは一味違った清々しさがあります。
事故に遭った自分を助けてくれた親友の父親に対してべサニーが「シャツを血で汚してしまってごめんなさい」という言葉に対し、
「ああ、あのシャツは気に入ってなかったんだ」と返す病室でのやりとりこそがこの映画を象徴しています。
やや駆け足気味のストーリー展開ながらサーファーとしての復活の物語だけでなく、注目されたことで世間やマスコミから好奇の目で見られることの辛さや
「こんな姿じゃ恋もできない」というティーンの女の子なら当然の苦悩も描かれています。

クライマックス、全国大会の決勝で時間切れになりながらも待ち焦がれたビッグウェーブにテイクオフする姿は「片腕を失う」という神様が彼女に与えた試練(ビッグウェーブ)を乗り越えた瞬間にも見え、映画的なカタルシスとサーフィンにおける快感の醍醐味が融合しています。
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