ひじひざミサイル

暗いところで待ち合わせのひじひざミサイルのレビュー・感想・評価

暗いところで待ち合わせ(2006年製作の映画)
3.8
乙一原作の・・シチュエーションサスペンスドラマ。ミステリー要素もあり。とても良くできた掘り出し物の一作という感じであります!

主人公は、駅ちかの一軒家に1人で暮らす目の不自由な女性ミチルと、ある事情からミチルの家に忍び込んで、ひっそり居座ることになった青年アキヒロのふたり。

原作との相違は何と言ってもアキヒロを中国人とのハーフにしたこと。ここが最高にいい。職場で起こるアキヒロへのいじめがきっかけで話が転がり出すんですが「人種差別」という明らかな問題が前提にあるので、アキヒロの孤独と憤りが小説よりストレートに伝わる作りになっています!演じるチェン・ボーリンの片言の日本語がまた朴とつとしてて、人付き合いが下手な感じに拍車をかけているし!そうでありながらイケメンなので感情移入もしやすい。このキャスティングあっぱれです!

いじめる側の佐藤浩市、後輩役の波岡一喜もヤな感じがすごくいい(笑) あと00年代の雰囲気もいい。服装とかほほえましい。日本映画いいなああ。。としみじみ思ったのがラスト。これ、海外の映画じゃ2人キスしちゃうよね・・・。でもしない。たたずむだけ。そこがホントいい。

難点が一つ。ドントブリーズでも思ったけど、隠れている人と目の不自由な人の「絶対ニオイで分かるやろ」という距離。。観ながら「近い!近い近い!」って声に出してしまった(笑)

でも、2人に寄り添いたくなる良作です!小説もめっちゃいいです!