【2021.9.27@Amazon Prime Video】
クレイグボンド最終作へ向けて復習、その3。
サム・メンデスが監督を務めたことで、何段も格調高くなった傑作。
ロジャー・ディーキンスによるシンメトリーを基調とした撮影がとにかく美しい。
音楽使いも実に的確。
時代の流れに取り残されたMI6。
衰えたボンド。
スパイは所詮ただの駒にすぎない、使い捨ての存在なのか。
Mという存在と功罪、スパイの悲哀に焦点を当てた深いドラマ。
本作の敵であり、ボンドの鏡像であるシルヴァは、演じているのがハビエル・バルデムだけあって、強烈な印象を残す。
オープニングは、後の試練を暗示する恐ろしくも美しい映像と、それを際立たせるアデルの力強くも繊細な歌声が完璧にマッチしている。
クレイグボンドのなかではぶっちぎりでベスト。