自由席

!〔ai-ou〕の自由席のレビュー・感想・評価

!〔ai-ou〕(1991年製作の映画)
3.5
公開当時とても印象に残っていて好きだった映画。当時『あぶない刑事』で人気のあった役者の柴田恭兵。アイドル少年隊のニッキ。バンド筋肉少女帯の大槻ケンヂ。この違う畑の3人の共演はとても珍しく新鮮だった。当時大槻ケンヂのラジオを聴いていた。この映画を観て以来、カラオケではよくRCを歌うようになった。
ヤクザの使いっ走り。借金まみれのエリート銀行員。長髪のフリーター。社会から外れた3人が知り合い逃げる話。
今回ビデオで30年ぶりに観た。
パンフもついでに見たのだが、当時F1にも参加していた今は無き運送会社、フットワークグループ製作の映画。そこに秋元康の製作集団が関わっている。懐かしいオレンジの犬のフットワークの車や、秋元康本人も劇中出てくる。時代だなぁと思う。
違うジャンルの3人を集められたのも秋元康だからできた、のかもしれない。
当時感情移入した、はじかれた者の哀愁を今回もある程度は感じた。が、中盤からダレるテンポや、クライマックスのチグハグな音楽等結構今観ると厳しい部分も多い。
冒頭のカーアクションや、時々にとんでもない身体のキレを見せる柴田やニッキ等、今観てもとてもいい。
ひとつびっくりしたのが、途中乱闘になるシーンでの音楽が『天使の涙』の食堂で突如始まる乱闘シーンとほぼ同じだったこと。また、そのシーンの直後にヤクザの親分がホームビデオで子供の映像を微笑ましく見る場面があるのだが、ここも『天使の涙』のホームビデオを見る場面と妙にシンクロしていた。そしてラスト、無人の電話が鳴り響くシーンは『欲望の翼』を連想した。製作年代に並べると、欲望、今作、天使の順なのだが、偶然?とはいえ不思議だった。
スコアは今回観直してのもの。ちなみに初見の当時は、5点満点だった。
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