1995年の「恋人までの距離」(Before Sunrise)の続編。
監督リチャード・リンクレイター、主演イーサン・ホークとジュリー・デルピーという同じメンバーで、映画内の設定と同じく9年後に作られた珠玉のラブストーリー。
脚本には主演の2人も参加。
原題:Before Sunset
(2004、1時間21分)
ウィーンで出会い半年後の再会を約束してから9年後。
あの一夜を描いた小説「This Time」で作家となったジェシー(イーサン・ホーク)はプロモーションでパリの書店を訪れセリーヌ(ジュリー・デルピー)と再会。
ジェシーの飛行機が出るまでのほんのちょっとの間、パリを歩き回ることにする…。
~登場人物~
・ジェシー・ウォレス(イーサン・ホーク):ニューヨーク在住の作家。既婚。妻は小学校の教師。子ども(男の子)がいる。
・セリーヌ(ジュリー・デルピー):32歳。グリーン・クロスの仕事に従事。報道カメラマンの恋人がいる。
「欲望さえなければ不幸な人はいなくなるのかな。
どうかしら?無欲は病気の症状じゃない?違う?欲望は健康の証よ。
でも仏教徒はこう言ってる。欲を捨てれば満たされることに気づく、って」
「過去と向き合わずに済めば思い出もすばらしいのに」
「あなたはあの夜、私の心を持ち去っていったの」
「魅力的な既婚者になって現れるなって、最低よ」
「でも、偽りの結婚生活を送り僕たちは道理から外れまいとしてる。それでも夢をみる。
どんな夢を?
………」
「責任よりも大事なことがあるはずだ。でも、諦めなかったのかも。愛することを」
物語は、前作同様2人の会話を中心に構成され、映画の進行と現実をほぼ一致させ、リアルタイムで進行する。
そして、半年後の約束が叶わず8年半遅れで再会した2人の感情のひだが、卓越したセリフと演技で表現される。
その後二人がどうなるかは続編「ビフォア・ミッドナイト」(Before Midnight)で確認しよう。
なお、ジュリー・デルピーは曲を提供。歌も披露し、多彩な魅力を見せている。
~楽曲~
①ジュリー・デルピーの曲
・オープニング「An Ocean Apart」
・部屋で披露されるギターの弾き語り「A Waltz For A Night」
・エンドロール「Je T'aime Tant」
②ニーナ・シモン
・部屋でかけるCD「Just In Time」