いののん

カムイの剣のいののんのレビュー・感想・評価

カムイの剣(1985年製作の映画)
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幕末。およそ1.05%の史実に、およそ98.95%の空想を加えて、抜け忍:次郎が、蝦夷ヶ島からベーリング海峡、アラスカを経由し、果てはアメリカ西部まで。それから日本に戻って、戊辰戦争の終焉まで。一大スペクタクルの冒険活劇!(ただし、派手さは全くない。ほぼ暗い。) 


『自然真営道』の著者:安藤昌益の子孫、『トム・ソーヤーの冒険』の著者:マーク・トウェイン、海賊キャプテン・キッド、西郷隆盛。年代も地域も様々な、歴史上の人物がつながっていく!(いや、つながってはいない!)そうか、日本の、いや、世界の歴史は、抜け忍:次郎が、動かしておったのか!余はちっとも知らなかったぜよ。薩長派でもなく幕府側でもないアナーキー次郎の活躍やいかに!


忍者と西部劇との融合も見逃せない!
抜け忍:次郎が、アメリカへ渡る。ネイティブ・アメリカンとの出会い。なんか、レッドサン感がある。幕末の時代設定がナイス。忍者、蒸気機関車、ピストル、西部の町並み。ちょっと感動。そして、ちょっと新鮮。


出会う女出会う女が、次郎に惹かれ、次郎のために命を差し出すことを怖れない。はじまりには、次郎って小学生くらいの男の子かと思ってたら、抱かれたそうな女まであらわれて、物語が進むにつれて、次郎はどんどんオトナの男として成長していく。須賀(小栗)に、大人になれよと言われなくたって、抜け忍:次郎は少年から青年になる。そのいっぽう、次郎を追っかける忍び:お雪は、どんどんエロっぽくなる。なんかちょっといやらしいわ。(そうでもない)


黒人サムも、ドラスニック船長も、ネイティブ・アメリカンの家族も、出会う人がみんな日本語を話してくださる優しさも、いいね! その他諸々、細かいことにはこだわらないという観客の資質も問われます。


どこまで追ってくるんだ天海!
極寒のなか、その格好で寒くないのか次郎!


のせられ、あるいは自らのりまくり、東京オリンピック後に抜け殻となるであろう日本国民の渇を癒やすべく、2021年の大河ドラマは、この「カムイの剣」でいく、というのは、いかがでしょうか? (賛成1票)
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