ゴン吉

新・座頭市物語のゴン吉のレビュー・感想・評価

新・座頭市物語(1963年製作の映画)
4.0
盲目ながらも居合抜刀の名人である渡世人の生き様を描いた「座頭市」シリーズの第三弾で初のカラー作品。
勝新太郎が主演、坪内ミキ子がヒロインを演じ、河津清三郎、須賀不二男らが共演。音楽は伊福部昭が担当。

盲目の渡世人である座頭市(勝新太郎)は、旅先で笠間の幼馴染と偶然再会し、嫁の話が出る。その後、座頭市は前作で斬った関宿の勘兵衛の弟(須賀不二男)から仇として命を狙われるが、座頭市のかつての居合の師匠である伴野弥十郎(河津清三郎)が偶々通りかかり、難を逃れる。座頭市は下館にある師匠の家に招かれ、妹の弥生(坪内ミキ子)と再会する。やがて二人は恋に落ち、座頭市は堅気になることを誓い、師匠に結婚の許しを請うが…

勝新太郎の代表作である盲目の渡世人・座頭市の活躍を描いた時代劇。
前作を踏まえたストーリー展開ではあるが、前作を未鑑賞でも楽しめる構成が嬉しい。
ゴジラのテーマ曲で有名な伊福部昭が第一作目に続き、再び本作でも音楽を担当しており、作品に重厚感を醸し出している。
関宿の勘兵衛の弟は悪人と思いきや、意外と任侠を重んじる筋の通った渡世人で情が深くて好感が持てる。
逆に居合の師匠は人格者と思いきや実は腹黒で、本作における人物像の設定が興味深い。
終盤は人々の思惑が交差し、切ない結末により哀愁を帯びた余韻が心に残る。
座頭市の蝋燭の居合斬りに加え、師匠との師弟による緊迫の居合対決で盛り上がる。
果たして座頭市と弥生の恋の結末は如何に?
「お嬢さん 市は やっぱり こんな男でしたよ」    

2024.1 BS12で鑑賞
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