新・座頭市物語の作品情報・感想・評価・動画配信

新・座頭市物語1963年製作の映画)

製作国:

上映時間:91分

ジャンル:

3.6

「新・座頭市物語」に投稿された感想・評価

勝新太郎主演のシリーズ第3作にして、初のカラー作品。座頭市の居合いの師匠(川津清三郎)や親代わりの老婆、幼馴染などが重要な役割を演じており、市の生い立ちを知る上では欠かせない作品。派手な切り合いは、それほど多くなく、ストーリーの中心は市と師匠の娘の坪内ミキ子の純愛。特に坪内が、1)竹藪の中を竹の枝を使って(手も握らない)市の道案内をしていく場面と2)美しい満月の下で盲目の市が心に月を思い浮かべる坪内との場面は素晴らしい。目が見えない市の嗅覚などを強調した作品でもある(坪内が近くに来ただけで気配から本人とわかってしまうなど)。派手な殺陣を望む人にはシリーズの他の作品を薦めますが、市のキャラクターの形成を知りたい人にはこの作品はお勧め。
MASH

MASHの感想・評価

4.0
座頭市シリーズ第3作目。今回からカラーになり明るく鮮やかな作品になっているかと思いきや、ある意味それまでの2作以上に暗い作風となっている。この作品は座頭市を含むヤクザな世界にいる人々の業の深さが描かれている。シリーズの中でも屈指の泣ける作品。

今作はたくさんのプロットが用意されており、やや混雑している印象。一見関係のない話が乱列しているように見える。実際そうである部分も多いが、これらの要素が上手いこと最後の方で一つのテーマへと収束していくのだ。そのテーマとは「渡世へ足を踏み入れた人々の運命」である。

幼馴染との再会、剣の師匠との再会、ある女性との出会い、それら全てに上記のテーマへ通じるものがある。そして全てが、市がその生き方を変えることができない悲しさへと繋がっていく。師匠の妹と結婚を約束した矢先、男が復讐しにやって来る。刀を抜くのと思いきや、なんと市は命乞いをするのだ。そこからの人の優しさと残酷さが込められた展開は涙なしでは観られないだろう(本当に少しウルッとしてしまった)。

カラーなのに色調はとことん抑えられ、それと同様に内容も暗く重い。ラストで市が去っていくというのは定番だが、この作品のラストは心苦しいものがある。まさに市をはじめ、ヤクザな渡世に身を落とした者の逃れられない運命を描いたラスト。

ストーリーが多少ゴチャついてはいるが、しっかり師匠との対決へのお膳立てはしっかりしており、シリーズの型が徐々に完成に近づいていくのが分かる。そして、ストーリーの面でもシリーズ全体に通じる暗い部分が強く押し出されている。個人的にはすごく好きな作品。
あにま

あにまの感想・評価

3.7
609作品目。レビュー307作品目。
『新・座頭市物語』
 監督:田中徳三
 主演:勝新太郎
 興行収入:未記載
 製作費:未記載
座頭市シリーズ第3作品目。
故郷の笠間に足を向けた座頭市。かつて斬った関宿の勘兵衛の弟・安彦の島吉とその子分に襲われる。その決闘を止めたのは座頭市の剣の師匠である伴野弥十郎であった…。

今回も格好いい座頭市。
1作品目から繋がりがあるのはこの作品くらいまでかな。
師匠と弟子の対決とは、燃える展開だ。
二十六作品ある勝新太郎主演「座頭市」シリーズの第三作目。テーマは「師匠」です。ここからカラーになります。クライテリオン版ボックスセット収録。

今回はかなり込み入ったストーリーです。舞台は座頭市の故郷の笠間です。各地で悪事を働く水戸天狗党の話が縦軸、座頭市の師匠である伴野弥十郎(河津清三郎)とその妹の弥生(坪内ミキ子)との座頭市の関わりが横軸となっています。これに加えて座頭市の幼なじみのエピソードや、前作で座頭市に兄を殺された安彦の島吉(須賀不二男)が座頭市を追う話がこの縦軸と横軸に絡まってきます。

これは脚本家の犬塚稔の手腕なんですかね。ちゃんと三作品に連続性があるんですよ。複雑なんだけど、普通にちゃんと理解できる。しかし、複雑な話なので90分のちょっと長い尺となり、若干ダレているのは否めない。

そして、座頭市のキャラクターがまだ定まっていないのが少し残念。特に弥生との絡み。あれ?座頭市ってこんなキャラでしたっけ?その前にももっといい女はいっぱいいただろうに。まあ、いいや。
殺陣も良いが、ラストの居合対決もジリジリした雰囲気が伝わってきて良い。
座頭市シリーズ三作目。
プロットが広がりすぎのきらいがあるが、良シーンもちょくちょくありグッとくる。
勝新の殺陣はパワーアップしており、それだけでも見応えがある。
初のカラー作品だが、勧善懲悪ものの必然か、やや予定調和気味。
いつも悪役のあの人が意外な好漢であり、いつも悪役のあの人はやっぱり悪かった。
てつじ

てつじの感想・評価

3.1
市の居合い抜きの師匠河津清三郎が、弟子の座頭市より格下に見えてしまうバランスの悪さ。兄の仇と市をつけ狙う須賀不二男とのサイコロ勝負の暖かさ。風を斬っただけと呟く座頭市の胸中。
2作目「続座頭市物語」がゲオにもTSUTAYAにも無かったので泣く泣く飛ばして3作目…

カラーものの時代劇を久しぶりに観たので新鮮な気持ち。今回は師と闘う…
カタギになりたいのになれない宿命。カリートの道…泣
ぽち

ぽちの感想・評価

3.5
6作以降を観た事があるが、今作はまったく作品のカラーが違い驚いた。

超人的な強さの市がダークヒーローとして活躍するエンターテイメント映画ではなく、強さはあるが内面の葛藤などを主題としている。
生まれ故郷、師匠、求婚などまだ試行錯誤しているのが見て取れるのも面白い。

シリーズ後半を観慣れていると今作は逆に新鮮に感じて面白かった。本名「いちた」と言うらしい。

勝が32歳と元気いっぱいなのも、個人的に好きな市のイメージとは違うがビギニングと思えば楽しめる。
ストーリー運びがちょっともたついてはいるが、完成度が高い作品だ。
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