【第16回アカデミー賞 撮影賞・美術賞受賞】
ユニバーサル・モンスターズ作品の中で唯一アカデミー賞を獲得した作品。ガストン・ルルーの小説をもとにしているものの、筋はほぼ別物と言っていい。1925年版のセットを再利用しているという。
テクニカラーの鮮やかな色彩や豪華なセットは素晴らしいものの、怪人の正体をはじめから見せてしまったり、クリスティーヌを怪人そっちのけで警察官ラウルとオペラ座の主役アナトールが奪い合うという設定にしたことで著しくゴシック的な不気味さや狂気は薄れてしまっている。なんかどうでもいい痴話喧嘩を見せられている気分。
クリスティーヌもあまり見せ場もなく受動的なキャラクターで感情がよく分からない。ラウルとアナトールのコミカルな演出も気分を削ぐ。
正直これは駄作だと思う。