白石晃士監督や「放送禁止」シリーズの長江俊和監督など、後のフェイクドキュメンタリー作家に多大な影響を与えたベルギーのヴァイオレンス映画。
強盗殺人を職業としている男ベンの密着ドキュメンタリー(モキュメンタリ―)。やがて撮影クルーも犯罪に巻き込まれていく。。。
1992年製作でありPOVによるフェイク・ドキュメンタリーの先駆と言える。アンモラルな殺人犯映画としては「ファニーゲーム」(1997)より5年早い。公開当時の衝撃は容易に想像がつくし、現在観てもそれほど古さは感じなかった。ラスト前の留置所シーンだけ時系列の繋がりが解らなかった。
このところ90年代悪趣味サブカルチャーの検証が目立っているが、映画分野では本作が重要な検証材料になると思う。メディアの発達が絡んだ劇場型露悪趣味がカギになりそう。
※連想した関連作
「コミック雑誌なんかいらない」(1986)
「その男、狂暴につき」(1989)
「レザボア・ドッグス」(1992※同年)
※共同監督&主演のブノワ・ポールヴールドはベルギーの人気コメディアン。