このレビューはネタバレを含みます
私は『アバウト・タイム』という映画が大嫌いで悪口しか出てこないほどなんだけど、中盤まではあれに近い作品なのではないかと構えて見てたんよね。特にフィルがループを利用し、リタを射止めようとするところまでは。あそこで「リタがフィルを受け入れてハッピーエンド」という形で終わっていたら、『アバウト・タイム』と同じく私にとっては「主人公が超常現象を利用するだけして成長しないまま終わる」作品でしかなかったと思う。
でもフィルはそこで上手く行かない。リタの心が欲しくてリタの情報を入手すると、逆にリタは訝しんでしまう。だからフィルがリタにビンタされまくるところで、ようやく「この映画は違うのか」と身を乗り出すことになりました。ここからフィルが変わっていくんだけど、リタ以上に老衰で亡くなるホームレスの存在が大きかったように思います。どんなに助けようとしても誰もが老衰からは逃れられないのだと。
しかしビル・マーレイはこういうクズ役が多いような……(そこから改心していくケースも多いが)。