今をとにかく楽しく生きるか、まだ見ぬ未来を楽しくする為に今を生きるか…。
一瞬一瞬をハッピーに生きる姿は理解できるが、このポピー(サリー・ホーキンス)は少しやり過ぎではないか。
自転車を盗まれても怒られても馬鹿にされても、どんな状況でもポジティブな考え方・生き方は自分も共感する。
しかし彼女の演技がどうも鼻につき、共感したくても共感できないもどかしさを感じた。
サリー・ホーキンスの演技は個性的で評価するのだが…。
彼女のまた違った演技の印象がある『シェイプ・オブ・ウォーター』をちょっと観てみたくなった。
彼女に実力があるからこそ、マイク・リー監督の俳優たちに任せる即興芝居が成り立つ事は認めたい。
天真爛漫でヘラヘラと明るく振る舞う彼女を手放しに静観できないのは、自分がルームメイト〝ゾーイ〟と同じ側の視点で見てしまいココロが現代社会にどっぷり浸かってしまっているからかもしれない。
『エンラハ〜エンラハ〜エンラハ〜』と唱える自動車教習の教官が、個人的な悩みがあたっとしてもイラつく気持ちは分からないでもない。
それでも笑顔が絶えず憎めない彼女の一瞬の真顔が、この作品の本質かもしれない。
彼女は何にも悪くない、悪いのは世の中なんだと。
周りを見渡せば大人も子供も、皆ギスギスしたしかめっ面して生きている…。
明日の事など誰にも分からず、今この一瞬をハッピーに感じないでいつハッピーになるのだ。
彼女は本気で世界中の人々をハッピーにさせたいんだと..★,