ShinMakita

御用金のShinMakitaのレビュー・感想・評価

御用金(1969年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.7
☆Filmarks基準スコア:3.7





1831年、天保二年。
越前鯖井領 黒崎村漁民30人が忽然と消え去った。凶作も続くため、人々は呪い…神隠しと考え恐れおののいた。


が、真実はそうではない。

当時、幕府の財政を支える御用金は、佐渡で採れた物。能登、敦賀と船で運搬された金は江戸に運ばれる。が、時折運搬船が難破することもあった。ある時難破船が鯖井の海辺に漂流し、黒崎の漁民たちが金を回収、鯖井藩に届け出た。藩家老・六郷帯刀は漁民たちに褒美を約束するが、その裏で村人全員を殺害して口を封じ、御用金着服を画策する。これが「神隠し」の真相であった。上級藩士・脇坂孫兵衛はその真実を知り、義兄である六郷に詰め寄った。六郷は二度と「神隠し」は起こさないと約束、脇坂はその言葉を信じ、御公儀に告げることなく脱藩する…

天保五年。
江戸で浪人として燻っていた脇坂は、ある夜、刺客に襲われた。返り討ちにした脇坂は、襲撃したのが鯖井藩士たちと知って衝撃を受ける。六郷が再び「神隠し」をやるつもりで、口封じのため脇坂を狙ったのだ。六郷の企みを止めるため、脇坂は鯖井へと向かうのだが…




「御用金」


過去の贖罪のため、古巣の藩が仕掛ける悪魔の計画を止めようとする侍…主人公・脇坂は仲代達矢。藩の財政難を乗り越えるため悪魔に魂を売る老中…六郷帯刀は丹波哲郎。そして脇坂につきまとい、やがてバディとなる謎の剣客・藤巻役は、三船の代打、萬屋錦之介。浅丘ルリ子のしたたかな女博徒役も良かった。

五社英雄時代劇は、とにかく過剰なライティングの格好良さとチャンバラと舞台装置のダイナミズムが特徴。「十手舞」が例外中の例外だったと分かる一本でした。面白かった!
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