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ボーイ・ミーツ・ガールのrebのレビュー・感想・評価

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)
3.3
5月のパリ。恋人を親友にとられたアレックスは、たまたまインターフォン越しに恋人と言い争うミレーユに興味を持ち、パーティーに潜り込んで恋に落ちるが、やがて悲劇的な結末を迎える。

カラックス22歳の長編デビュー作で、アレックス3部作の原点。

どうしようもない孤独を抱えた男女の若者。寂しさと同時に、そんな自分に酔っているようにも見える。
パーティーの最中キッチンの片隅で、親友を殺そうとしたアレックスと、自殺願望のあるミレーユは、お互いの恋人について語り合う。カラックスこういう不毛な会話多いなぁ。

日仏学院の“映画のアトリエ「レオス•カラックスとは“何“か?」講師:須藤健太郎さん“に参加したが、本作について色々なお話が聞けた。

1960年生まれのレオス•カラックスは13歳の時、本名のAlex Christophe DupontからLeos Caraxと自ら改名する。これはAlex+Oscarのアナグラムとか。
もうこの時点でフツーの子供じゃない。
本名がAlexなので、3部作のアレックスはまさしく監督の分身。ドニ•ラヴァンは顔は似てないが体型は同じ。

本作には時々“顔“がパッと浮かんでくるカットがはさまれるのだが、それは登場人物がその時頭の中に浮かべたものが映像として現れるという、二重構造になっているらしい。

アレックスが、昔の恋人と親友が密会している部屋にレコードを届けるシーンで、あたかも2人の声が廊下に聞こえているかのようだが、それはアレックスの妄想なのかもしれない。

そしてたびたびブラックアウトする画面は、「イッツ•ノット•ミー」の中で監督が大切だと言っていた“まばたき“なのではないかと。なるほど〜。

向かいのカップルから丸見えの衝撃のラストシーンだが、なんでアレックスがバタッと倒れたのかは、須藤さんも分からないとおっしゃっていました。
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