このレビューはネタバレを含みます
『その少女は…白人でした』
こんなにも悔しいラストだったとは。
黒人差別に立ち向かう白人弁護士の法廷ドラマ。
重厚で見応えはあるけども、どこかありきたりな展開だなと思っていたら、最後の最後の最終弁論。
激しく打ちのめされた。
どれだけ証拠を並べても、どんなに感情に訴えかけても、白人陪審員たちが黒人被告に感情移入することは絶対にありえない。
そんな陪審員たちを説得するための弁論があまりにも悔しすぎた。
誰よりも差別に抗う覚悟を持って闘ってきたのに。
白人達の差別意識を覆せず、むしろそれを認めて利用することでしか黒人被告を救うことができない。
黒人の隣に並び共に立ち向かうのではなく、同じ白人としての潜在的な差別意識を共有するからこそ切り開けた最終弁論。
最後のあの言葉は、法の下ではお前達(黒人)は絶対に勝てないと認めたに等しい。
本当に救われるべき人たちを見ず、目を閉じて彼らを置き換えなければ、そこまでしなければ公平な裁定ができないのか。
痛烈なメッセージを感じた。