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ゲド戦記のBobのレビュー・感想・評価

ゲド戦記(2006年製作の映画)
3.6
まず原作のゲド戦記ってタイトルが良い!かっこいい!原題Tales from Earthseaをこんなイカした邦題にした出版会社のセンスが素晴らしい!まぁ中身とは違うけど。

11年くらい前ですかね?高校生の夏休みらへんに映画館に行ったのを思い出します。
けちょんけちょんに言われてますが、今でも初めて観た時と評価は変わりません。普通に好きです。
言われてる通り、歴代ジブリの中でも鬱な主人公で、ファンタジー色も薄い、更には原作と違うとファンからのバッシングも沢山ありました。
ですが言いようのない不安に駆られ衝動的に父を刺した主人公アレンが、人生の先輩と共に旅をする中で人と出会い、自分と向き合うロードムービーとして見ればそんな悪くない作品と思います。
主人公が置かれてる境遇というか、その世界のあちこちで良くないことが起こっているという点が僕らの世界にも似てる気が。
本来人々を導くはずの人が肝心な時何の役にも立たなかったり、起こるはずのない争いが起こったり。
アレン達が立ち寄る場所もそう。
人身売買、偽物の商品が並ぶ商店街、ドラッグなど。東南アジアで見られる光景。
そんな感じでこの世界観に普通にはまってしまいました。
最後は世の中は良くないことが起こってるけど、結局全部自分次第なわけで。
自分が今地に足付けて生きてるかどうか、流されてないか、必要のない不安に怯えてないか、そんなテーマだったのかなと思います。
映画に関しては全くの素人だった監督が作ったこの作品、やはり映画としての作りは色々うまくないかもしれません。絵的にも地味やし。なのでザッツジブリみたいなそれを期待すると良くないかな。
それもあって一般的な評価はあまり良くないんでしょうが、好きな人は割といると思います。実際僕の友達にもこれが好きな人いますよ。2人くらい。
この次のコクリコとかは大分見易くなってて、やっぱ好きでしたねー僕は。
長々書きましたが、低評価のレッテルを貼られて響く人にも観られず埋もれていくのは勿体無いなと思ったので。
あと時の歌という主題歌も個人的名曲!夕暮れ時に聴きたい。
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