もう

アメリカン・サイコのもうのレビュー・感想・評価

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
4.0
タイトルを見たらサイコサスペンスで間違いないだろうと思うのですが、実は現代社会に身を置く者の心の闇をブラックユーモアで描いた作品だと捉えています。

まあ、主演のクリスチャン・ベイルの怪演が堪能できる、ファンには嬉しい作品に仕上がっています。

この映画の疑問は本当に殺人を犯したのか、妄想の殺人なのかということですが、そもそも殺人が主題ではないように思います。

この映画は、近くにいる人々の無関心さを現しています。誰も本音を語らない。周りに人はいっぱいいますが常に孤独。誰が何を隠して何をしているのかなど興味がないのです。

主人公パトリックはリッチな生活、恵まれた容姿で羨ましい限りです。
でも、自分の存在価値がないのに無意識のうちに感じているのだと思います。
それで殺人を犯し自分の存在を誇示しているのかな?

しかし、殺人を犯しても誰も気にしてくれない虚しさ。

現にポールを殺した後、死体を袋に入れて引きずりながら堂々と玄関を出ています。
警備員に声を掛けられますが袋の中身など無関心。死体を車に詰め込んでいるところに同僚が通りかかりますが、気になるのはどこのブランドのバッグかということ。

もしかして中身は死体ではなかったのかな?
やっぱり殺人は妄想かな?

とにかく、わたしはこの映画が好きです。
クリスチャン・ベイルほか、キャストが素晴らしいです。
これがパトリックにディカプリオ、秘書にキャメロン・ディアスなら興ざめでした。
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