シネラー

バットマン フォーエヴァーのシネラーのレビュー・感想・評価

2.5
ティム・バートン監督が製作にまわり、
ジョエル・シュマッカー監督が
抜擢されたシリーズ第3作を再鑑賞。
観ている間は面白い部分もあるが、
いまいち印象の薄く、不満も多い作品だ。

トゥーフェイスとリドラーと対峙し、
新たに相棒ロビンを加えたバットマン
の戦いが描かれていくが、
世界観を共有しながらもキャストと
スタッフが一新された事で明るい
ファミリー・ヒーロー映画となっている。
個人的に良い印象を残したのは
ロビンに関してだ。
ブルースと同じように家族を喪い、
復讐心からバットマンの相棒を志願する
彼のキャラクターは、
物語に良い新鮮味を与えてくれたと思う。
派手な視覚効果やギミックの美術も満載で、
時代に劣らぬ映像を描いている事も良かった。

正直言うと、本作のヴィラン二人は
個人的に嫌いと言っていい。
前作までのヴィランは、
ハイテンションな立ち回りがありつつも
カリスマ性や感情移入できる要素で
魅力的なヴィランと感じられたのに対し、
本作は只ハイテンションで
コミカルなだけと言っていい。
ジム・キャリーとトミー・リー・ジョーンズが
熱演しているだけに残念だ。
ロビンが相棒となる下りも唐突で、
相棒を拒否していたブルースが
どういう心境の変化で相棒を認めたのか
分からなかった。
又、本作のヒロインとバットマンの
恋愛要素も個人的に乗れず、
最初から彼女の性格にやや問題がある
としか思えなかった。

近年の原作コミック「BATMAN'89」
では本作と次回作は別アースの
出来事として扱われているが、
実際にそれ位に娯楽性といった点で
作風が異なるので、
そのように解釈して鑑賞するのが
正解のよう思う映画だった。
最新作のリドラーに期待だ。
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