成田007

バットマン フォーエヴァーの成田007のレビュー・感想・評価

3.7
悪事は馬鹿馬鹿しいのが一番だと思う。最近の映画は悪事を行っている悪者に裏付けのある理由を持っていることのが多い。しかし、悪事に正当性なんか求めても意味がない。そもそも悪事自体が正当なものじゃないからね。今作の悪事は馬鹿馬鹿しさが飛び抜けている。頭のイカれたヴィランたちは一度見たら忘れることはできません。

今作の見所はクレイジーすぎるヴィランのリドラーとトゥーフェイスの二人です。リドラーを演じたのは「マスク」でお馴染みキジム・キャリー。ことある後ことになぞなぞを出し、顔芸とキレキレの動きがいい。一方、トゥーフェイスは名優トミー・リー・ジョーンズ。二面性を持ち、リドラーに負けず劣らず頭がイカれている。

フォーエバーは監督はティム・バートンからジョエル・シュマッカー、また、主演のバットマン役はマイケル・キートンからヴァル・キルマーと一新されました。ヴァル・キルマーの端正な顔だたちにイカしたボディと非の打ち所がないイケメン、さらにヒロインの心理学者のチェイス博士はニコール・キッドマンと美男美女の共演は目の保養になります。さらにバットマンの相棒ロビンも加わり、史上最大の豪華さ。もし、これを劇場で見ていたら最高だったと思います。

しかし、豪華さの反面でかなり大味な映画になってしまったと思う。前作までのバットマンの強さの中に見える繊細さが薄れていると感じた。所々では幼少期のトラウマを見せる場面はあるが、あまり印象には残らないストーリー展開になっているのが残念です。トラウマを乗り越えるところもなんかあっさりしている。ハデさとシリアスさの両立は難しいところです。

いよいよ今週末に公開が迫っている「スーサイド・スクワット」の予習にもってこいな一作。ヴィランたちの強烈さは「スーサイド・スクワット」以上?な感じがしてしまう。
成田007

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