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カラーパープルのeiganoTOKOのネタバレレビュー・内容・結末

カラーパープル(1985年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

白人が黒人を堂々と差別する時代、(とはいえ現代も変わっていない部分は多くある)黒人コミュニティのなかに女性差別が根強くあり、結婚という名の人身売買やDV問題と、いまと地続きの問題を人間ドラマとして描ききる社会派スピルバーグの第1作目。

大げさにみえる演出も、事実ひどい歴史があるんだし、スピルバーグの差別と闘う文化人としての姿勢が彼の愛情として受け取れて、これは傑作としかいいようがない。
ウーピーがパワフルさを抑えて、つましく暮らし、耐えて耐えて、立ち上がる。その瞬間、一個人にも力があるんだと震える。

女がどこにいても、立ち上がれない状況を作っているのは男であり、市長の嫁のような存在でもある。
この映画を重いなどと片付けてたまるか。
彼女たち、また、すべての女たちにのし掛かった重積を、少しでも軽くしようとした本作。黒人を理解できてない、と監督は批判されたが、それでもやはり、女性差別にスポットをあてることがどれだけ貴重か。近年のアカデミー賞やmetoo運動をみていればわかるはずだ。
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