さうすぽー

天安門、恋人たちのさうすぽーのレビュー・感想・評価

天安門、恋人たち(2006年製作の映画)
2.7
自己満足点 53点

「パリ13区」のレビューを書いたときに、少し系統が似てる今作を思い出したので書きます。

ロウ・イエ監督が中国でタブーとされてる天安門事件を題材に、セックスや群像劇と共に描く繋がりを描いた本作。
この題材を描いたことで中国で上映が禁止されてしまい、監督も数年間映画を製作してはいけないペナルティを課されてしまった問題作。
そういった国内のタブーを描く姿勢は支持したいし、その勇気に感服します。


大学に通う男女が恋愛やセックス等で謳歌してる中で天安門事件に巻き込まれ、暗い影を落としていく様やその後を描いており、登場人物の日常が特化として事件に巻き込まれる様は「ROMA/ローマ」をも彷彿とさせます。

セックスシーンは多いわけではありませんが、先日の「パリ13区」以上に過激で必要性を感じるものになっていた気がします。

主人公の恋人のウェイと友達のリー・ティのメンタルの変化は天安門以前と以後でだいぶ違うので心情が理解出来ますし、リー・ティも病んでしまうのもまぁ理解出来ます。

ただ肝心の主人公の女子、ホンに関しては最後まで観ても心情が理解出来ないし、天安門事件以前から性格がどこかおかしいので、ただのメンヘラにしか感じられなかったです。
特にチョウに対して怒らせる発言を何故わざとしたのか、本当に意味がわからないです。
彼女のメンタル的な背景をもう少し解りやすく描いた方が良かった気がします。


映像面でも前半以外はあまり引き込まれるショットは無かったし、登場人物達のやり取りもウェットしてる割にはそんなに興味深いわけではなかったので、観ていて少ししんどさが残りました。