このレビューはネタバレを含みます
是枝監督は家族をテーマにした作品が多い(というかそれしか知らない)ので、誰しもが作品の中の世界について深く考えることができ、が一方的にならないのが良いところだなあと思います。
ただ何が面白かったかと問われると何も面白くなかったしドキュメンタリーっぽく撮られてて淡々と進んでいくだけで起承転結も曖昧だったので山場みたいなのが無くて退屈だった。終始静かだったし普通に見てたら寝ると思う。純度の高いド平成の景色を見れたのはちょっと嬉しかった。
大学で被害者学を学んだ者の意見としては、現実で「加害者も色々辛いんだよ」などと発信すれば大バッシングが待ってること間違いなしの今の世の中でこういった加害者側に視点を向けられた映画は貴重だと思うし、井浦新の行動を見ればわかるように加害者遺族も被害者のそれと同じぐらいに環境から人間関係に至るまで全てが崩壊してしまい、また傷の深刻さについてほとんど焦点を当てられることは無く恐らく当てられても共感されることも少ないが、加害者遺族のその後についても今一度考えられておくべきだと思う。