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愛怨峡のhummingbirdのレビュー・感想・評価

愛怨峡(1937年製作の映画)
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溝口健二は重厚な内容が多いけど、これは見やすい作品(成瀬でいうと「放浪記」あたりに近いかな)。

「祇園の姉妹」で長回しをやっていたはずなので、この作品も当然長回し。

長回しのシーンには、そうする理由がちゃんとあって、ただただすごい(それを考えるのか思いつくのか?)。ふみこが泣いてるシーン、若旦那が楽屋に来るシーンなどは特に凝っている(役者さんは、覚えるのが大変だよ)。

溝口は後の時代ではカメラワークを使っているけど、この作品はカメラはあまり動かしてない。動かす時はドリーのような感じ。舞台の出演者と見ている人のカットバック?の場面もある。

出演者は河津清三郎、清水将夫、田中春男、菅井一郎など豪華で、後の時代に活躍した俳優が、30年代に、しかも溝口の作品に出てるなんて!と感動する。

データでは108分だけど、作品は89分しかないので、一部欠落してるのかも。
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