あんがすざろっく

ロッキー2のあんがすざろっくのネタバレレビュー・内容・結末

ロッキー2(1979年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ2作目。オープニングは前作の試合の最終ラウンド辺りから始まるので(これがシリーズ通例となる)、一気にテンションがあがりますね。

前作で誰もが3ラウンドでKO負けすると思われていたロッキーは、最終ラウンドまで善戦し、チャンピオンアポロを苦しめた。
結果はアポロの判定勝利となったものの、脚光を浴びたのはシンデレラボーイ、ロッキーだった。
だがロッキーは試合で目に障害を受け、もうリングに立つのは危険だと診断される。
それでもロッキーは充分だった。
15ラウンドまで倒れなかったことは、彼に誇りをもたらし、何よりも側には愛するエイドリアンがいてくれる。

ロッキーはエイドリアンを動物園に誘い、そこでプロポーズをする。エイドリアンもそれを受け入れ、二人は結婚。
「私に飽きないでね」とエイドリアン。
「それより、俺を捨てねぇでくれ」とロッキー。
(本当にこの二人の会話は、阿吽の呼吸のようですよね)
貧しいながらも穏やかな生活の中、二人は互いを思い合い、やがて赤ん坊を授かる。

一方で、ロッキーを辛くも打ち破ったはずのチャンピオン、アポロは、日々目にする自分への批判とロッキーを賞賛する記事に気を揉んでいた。
リターンマッチはしないと宣言したアポロだが、ロッキーの存在はいつまでも彼を脅かした。
チャンプとしての誇りを取り戻すには、再びロッキーと対戦し、彼をマットに沈める以外には方法がなかった。


前作でアメリカンドリームを叶えたロッキー(とスタローン)でしたが、結局チャンピオンになった訳ではなく、人々が彼を賞賛するのは一時だけだったと言えます。
ただロッキーはエイドリアンとの生活だけを望んでいたので、名声は要らなかったんですね。

エイドリアンと結婚したことで有頂天になったロッキーは、車を買い、高価な腕時計を買い、とうとう家まで購入します。
その浪費ぶりに、さすがにエイドリアンも心配しますが、ロッキーはエイドリアンに幸せな生活をさせたいだけ。
「こんな家も、お前がいなけりゃ意味がないんだ」
今のロッキーには、エイドリアンが全てなんです。
大事なものは一つだけ、これってすごく強いですよね。

もともと不器用なロッキー、CMの仕事も来たんですが、上手くこなせず、結局CMの契約料も入らないんです。
そうなると、仕事を探さなければならない。
真っ当な人間になって、真っ当な仕事をする、そう誓うロッキーですが、学歴もないので、彼が思い描くような(スーツを着て、デスクに向かう)仕事はなかなか見つかりません。
結局、体を使って、精肉工場で働くことになりますが、不況の煽りでロッキーはすぐにクビに。
このままでは収入がありません。

しばらくの間、エイドリアンが赤ん坊を身篭ったまま、ペットショップで働くことに。
こうなると、ロッキーも身の置き場がありません。
外で稼いでくるのが亭主の役目のはずなのに、妊娠中の妻に仕事をさせてしまう自分に不甲斐ない思いが増します。

そんな中で耳に入ってきたアポロとのリターンマッチの話。
自分にはもうこれしかない、そうロッキーが思い至ったのは、至極当然のことです。
それでもエイドリアンはもうロッキーにリングに立ってもらいたくない。
エイドリアンに反対されたまま、ロッキーはミッキーと共にトレーニングを始めます。

だがしかし、どうもトレーニングに身が入らないロッキー。それを見るロッキーもポーリーも煮え切りません。
結局ロッキーを奮い立たせるのは、やはりエイドリアンしかいないんです。

エイドリアンからの一言で、一気に火がついたロッキーは、猛然とトレーニングに励みます。


ロッキーって、リングに立つと強いんですけど、普段はイジイジグズグズなんですよね(笑)。
エイドリアンの一挙手一投足にすぐに左右されるし、実は女々しい部分がある。
だけど一度やる気になったら、とんでもない力を発揮します。
ロッキーの魅力はそこなのかも知れません。
生きるのは不器用だけど、大事なものの為に立ち上がる。

一作目ではたった一人でのロードワークでしたが、今回は心強い味方がたくさん。
街のみんながロッキーを応援してくれます。
フィラデルフィア美術館のシーンは、全てのシリーズ通して一番熱くなるかも。
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