あんがすざろっく

ファミリービジネスのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

ファミリービジネス(1989年製作の映画)
3.8
泥棒稼業一筋で、歳は重ねても肝っ玉と腕っぷしの強さだけは衰えないジェシー。

小さい頃は泥棒を手伝わされたものの、その過去を恥じて今は真っ当な生き方を選んだ息子のヴィト。

奨学金で大学へ通える程の秀才へ育つが、祖父ジェシーとの交流を父から頑なに遠ざけられた、孫のアダム。

親子3世代を結んだ絆は、盗みだった。


ショーン・コネリー。
ダスティン・ホフマン。
マシュー・ブロデリック。

3大スター、夢の競演。

と、当時謳われていました。

しかし、蓋を開けてみれば、
とっても。
とっても。
と〜〜〜っても。
地味な作品です。

競演とは言え、華やかさはまるで皆無。
正直な話、ショーン・コネリーの映画になっています。
社会派のシドニー・ルメットだけに、スター映画には仕上がらなかったのかな。


がしかし、僕はどうしても嫌いになれません。

本作が公開された時、僕は中学3年で、受験も終わり、卒業を間近に控えた頃で、友達数人と一緒に劇場に観に行ったのを覚えてます。
中学生が観るには、地味過ぎる作品😆

でも初めて、映画をハシゴしたんです。
ハシゴしたもう一本が、ロバート・デ・ニーロ、ショーン・ペン、デミ・ムーアと、こちらも超豪華競演の「俺たちは天使じゃない」。

ゲラゲラ笑ったのは、明らかに「俺たち〜」だったはずなんだけど、記憶に残っているのは「ファミリービジネス」の方です。

僕はずっと爺ちゃん婆ちゃんと同居してて、爺ちゃんが大好きだったのもあるかも知れません。


父と息子の関係。
祖父と孫の関係。
祖父から見た、息子と孫の関係。
孫から見た、祖父と父の関係。

家族って、平和なだけじゃないんだな。
色々あるけど、でも面白いな。

アダムは父ヴィトとは距離を置いていたけど、祖父ジェシーが大好きだった。

まだまだ世間知らずに見えたアダムが
「もう父さんからは卒業したよ」と語った後、ジェシーが口にした言葉。
爺ちゃんは何でもお見通しだったんだな。

アダムに「今までで一番楽しかったこと」を聞かれて、ヴィトが口にした言葉。


大した親子だ。

サイ・コールマンの手掛けたテーマ曲も、とても好きです。


今は無き池袋のジョイシネマで観ました。
やっぱり大好きな映画って、観た劇場も覚えてるもんだな🥲
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