オムニバスって好き 改めて思うと、タクシーは不思議な空間だ 運転手と乗客の複雑な力関係、そもそも他人と半密室で過ごすこと 車窓から見える夜の街は、昼間の景色と違ってドキドキするだろう 人々が寝静まって静かな土地、反対に喧騒の土地、数少ない街灯の光がぼんやり輝く土地、カラフルなネオンに照らされた土地 冒頭の地球にズームするところや地球儀で都市を遷移するところも楽しい
①ロサンゼルス
キャスティングエージェントの女性と、メカニックを目指す運転手の女の子 タバコ吸いまくりウィノナ・ライダー 荒っぽいけど真っ直ぐで眩しくてかわいい子、だからヴィクトリアもこの子はスターの素質があるんじゃない…?とスカウトする 悪ガキっぽい「Yes Ma'am」
②ニューヨーク
これ良かった!タクシーがなかなか捕まらない男、NYにやってきたばかりで客を捕まえられない 運転すら怪しいおじさん 治安の悪い土地 おじさんが突然笛吹き出してこっちまで笑ってしまった ヨーヨーとヘルムート、ナイスコンビ
③パリ
冒頭に有名なアール・ヌーヴォーの地下鉄入り口が出てくる 運転手であるコートジボワール出身の青年と、盲人の女性 「兄弟」と呼びながらも出身地についてイジってきた男性ふたりに対して、この女性にとっては青年の肌の色なんて関係ない トンネルを通過してることだってわかるし、ギターの形もよく理解している 視覚だけがすべてではない オチがいい
④ローマ
ペラペラ喋る男!いちばん笑えたけどほんとうにうるさい奴、独り言も多い 乗客の神父はなんだか体調が悪そうだ 彼にとっては体調がヤバいときにうるさい奴と同じ空間になってしまったのだから運が悪い タクシーで懺悔はだめだと言われても勝手に自分の罪(と本気で思ってるかもわからない)…カボチャや羊を"相手"にしてたことや兄の嫁と性交したことについて喋りだす ほんとうに話が止まらなくて笑える マシンガントークそのもの ラストの坊さんを殺した!も不謹慎だが面白い
⑤ヘルシンキ
不幸について語る男たち 酔い潰れた男とその親友ふたりが乗客、ヒゲ面の運転手 はじめのうちの友人たちはこいつにとって今日が生涯最悪の日で…と言っていたのに運転手の不幸を聞くとこいつの不幸なんか…と友人を下げる発言 最後、夜が明けてよかったね