瀬口航平

マクベスの瀬口航平のネタバレレビュー・内容・結末

マクベス(1971年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃめちゃ面白いマクベスだった。今までで一番好きなマクベスかも。シェイクスピア四大悲劇の中だと多分一番好みではないんだけど、これは面白かった。ポランスキーハマりそう。

最初の魔女3人の会話が、普通に会話になってるの良かった。おどろおどろしい感じで始まるイメージだけど、普通の会話として始まるのが良い。

その後の予言のシーンも人間として台詞言ってる感じがリアリティ感じる。その後風のように消えた、みたいなのも、その感覚あるからこそ怖いよね。。
ファンタジー感出ちゃうとやっぱ違うんだな。
演技だけじゃなく、演出も特別なことしてないから良いんだと思う。


マクベス夫人と最初に出会うとこもめっちゃ良い。少しだけど素敵な夫婦なのが伝わる。あとマクベス夫人こんな若くて美人なの初めて観たかも。予言を叶えようとマクベスより積極的なのも予言に対する信頼があるからで、女性のほうがそういうの信じやすいというのもあるのかな。

ダンカン殺す夜の静かな緊張感もすごく良い。ほんとにやってる感じする。
ダンカン起きるから、殺すというのも良い。それまでかなり躊躇してる。序盤はかなり優しいな、このマクベス。
そしてさらに何が良いって、マクベス婦人が鬼嫁みたいになってない感じ。。夫の背中を押すとこも、このダメ夫が!!みたい感じじゃない。泣きながら訴えてるとことか殺しの話してるのにちょっとかわいいなとすら思える。夫を愛してる前提の行動なのが伝わるし。だからこそ後半悲しい。。死ぬ間際にマクベスからの手紙をまた読むとこ良いな。。。序盤に読んでたときとは全く違う。。。暗い野心というより、本人の中では最初は希望みたいな感じだったのかな。あのときはあんなに未来の現実が光り輝いてたのに、、みたいなシーンに見える。。

マクベスが王位について、自分の意思で殺し屋手配していくあたりからマクベス夫妻の力関係が変わる。前半と後半でマクベスのキャラクターが別人だ。。。

マクダフとの戦闘はマクベス応援する気に全然なれんかったけど、お前の家族は殺しすぎたからもう嫌だってとこでちょっと好きになった←
なんかこういうのポランスキーうまいな、、、
多分シェイクスピアの原作にない台詞とか場面をちらほら入れてるんだけど、それがすごく良く機能してる。

有名なトゥモロースピーチがさらっとしてた。

死と乙女でも思ったけど、女性の裸をここでも入れてる。マクベスに関しては別に入れんでもいい気するんだけど。
あと首切り落とすとこまでやらんでも。。えぐい、、笑
そういう性的なとことか残酷さはポランスキーらしいとこかも。

この長さで全編通して全く退屈することなく観れたのすごい!
瀬口航平

瀬口航平