イチロヲ

HOUSE ハウスのイチロヲのレビュー・感想・評価

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)
4.0
夏休みを利用して合宿先を訪れた演劇部の女子高生7人組が、いわくつきの屋敷にて未曾有の恐怖体験に見舞われる。CM業界で活躍していた大林宣彦監督が長編デビューを果たしている、オカルト・ホラー映画。

父親の再婚を受け入れられずにいる令嬢(池上季実子)と、戦時中の悲恋を経験している伯母(南田洋子)がシンクロして、どうのこうのというシナリオ展開。楳図かずお調の美少女ホラー路線であり、若手女優の瑞々しいヌードを拝むことができる。

百合っぽい展開は、徹底的に百合っぽく。ファザコンっぽい展開は、徹底的にファザコンっぽく。グロい展開は、徹底的にグロく。アナログ時代のチープな特殊効果が、却って珍妙な味わいを生んでおり、過剰演出の連続性が癖になってくる。

大林監督のもつ創作の引き出しをノージャンルで片っ端からこじ開けることにより、アシッド感満点のトリップ描写を実現させている。安保以後のシラケムードがようやく薄れてきた時分に、ついと出現した突然変異体のような作品。
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