このレビューはネタバレを含みます
砂漠の只中で倒れていたのを迎えに来てくれた弟との帰路、幼い息子と一緒に母を探す道中、トラヴィスを中心に描かれる2つのロードトリップ。
トラヴィスは仕事も愛も捨てて逃げ出した男なのに、なぜか彼のことを身勝手だと切って捨てられない。マジックミラー越しに訥々と言葉を吐き出す姿が痛々しいし愛おしいしで、演出の見事さも相まって情緒かきみだされた。ジェーンの影に重なる顔。ピンクのセーターとブロンドヘア。気だるげでブルージーなギターサウンド。
アメリカ西部の荒涼とした砂漠の解放感と虚しさにも魅了される。バグダットカフェでも感じたけど、モハヴェ砂漠ってなんだか不思議な魅力がある場所だな。
実はあんまりヴィム・ヴェンダース監督作を観たことがないのだけど、他の作品も観てみたくなった。