ともぞう

下町の太陽のともぞうのネタバレレビュー・内容・結末

下町の太陽(1963年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

下町が大好きな女性が、会社で出世して郊外の団地に住もうとする男を振り、下町で頑張る工場の兄ちゃんに乗り替えようとする話。清く貧しく美しくの思想が強過ぎて、少々ウザい。最後のバレーボールに被さる歌も全然合ってない。倍賞千恵子の歌が先にありきの映画なので仕方ないが…。

〈あらすじ〉
荒川の流れにそって貧しい家並が密集している東京の下町、寺島町子(倍賞千恵子)は化粧品工場の女工として働いている。母は亡くなり父、祖母、弟2人の家庭は明るく平和である。同じ工場で働く恋人の毛利道男(早川保)は丸の内本社に勤めるサラリーマンを夢みて、正社員登用試験の勉強に励んでいた。毎日の通勤電車にいつも一緒に乗り込んで町子を見つめている不良っぽい工員たちがいた。彼等は北良介(勝呂誉)たちで、町子の弟の寺島健二(柳沢譲二)ともつき合いがあるという。その健二が万引事件で警察沙汰を引きおこしたので、町子は鉄工場の良介を訪ねた。彼は健二を理解しており町子の危惧に背を向けて一心に機械と取り組んでいた。その姿に町子は思わず感動をおぼえた。その頃、正社員登用試験の結果が発表されたが、道男は次点で不合格となり、自信満々だっただけにショックは大きかった。同僚の金子(待田京介)が要領が良くて合格したのを散々コキ下す道男の心には町子の慰めも通ぜず、2人の間には空虚な数日が流れた。公会堂で開かれたダンスパーティの夜、良介は町子を誘って外に出ると前から好きだったことを告白したが、彼女に恋人がいることを聞かされて淋しそうに帰って行った。数日後、颯爽と自動車を運転していた金子は老人を轢ね、これを道男が会社に連絡したため金子の正社員登用は取り消され、道男が採用されることになった。道男は早速、町子と逢って結婚の約束を急いだが、町子は道男のとった態度を素直に受け入れることが出来なかった。町子は彼に言った。「あなたは結局は下町を出て行く人よ、でも私はここにいたいの、いつまでも」やがて、下町にまた太陽が昇って町子は通勤の満員電車に揺られている。その片隅に真剣なまなざしの良介がいた。
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