鍋山和弥

パーフェクト ワールドの鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

脱獄した犯罪者、『ブッチ』と、貧乏で、ハロウィンすら、ろくに、させて貰えなかった少年、『フィリップ』の、心暖まる、擬似的な、親子愛な物語。逃避行という、ロードムービーという形で、『ブッチ』と、『フィリップ』の、心の交流に、ほのぼのとさせられる。『フィリップ』は、父親が、出て行っただけ、『ブッチ』は、父親が、暴力的な人だった。この差が、『ブッチ』と、『フィリップ』の、すれ違いを生み、『フィリップ』が、『ブッチ』を、銃で、撃ってしまうという、悲劇を生んだ。『ブッチ』の不幸は、親に恵まれなかったこと。犯罪を犯しているが、『ブッチ』自身は、善人だったと言える。『フィリップ』は、貧乏で、贅沢が、できなかった生活だったため、この『ブッチ』との時間が、生涯の宝物に、なったに違いない。と同時に、『ブッチ』を失ったことは、父親を、失った悲しみに、等しいだろう。『フィリップ』は、一生、『ブッチ』を、撃ってしまったことへの、罪悪感と後悔に、苛まれるだろうが、それだけ、『ブッチ』が、父親代わりの、暖かさに、触れたに違いない。『ブッチ』は、売春宿で、子供ながら、大人の性行為を、目にしてきた。暴力と、目にした性行為の、トラウマが、『ブッチ』を、親からの虐待を、許さないサイコ色な、性格にしたはず。親元に返すより、少年院の方が、マシと、言われる程だ。『ブッチ』の、不幸な人生は、父親のせいとも言える。子供にとって、暖かい家庭が、いかに大事か、分かる作品とも、言えるのでは、ないでしょうか?子育てには、親の責任は、大きい。
鍋山和弥

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