犯罪者と誘拐された少年を乗せたクラシックカーがひた走る、ハリウッド映画ではなくアメリカ映画と呼びたくなる傑作。
根はいいやつな犯罪者を「不器用なやつなんだよね〜」のひと言で片付けたくなるのいい加減やめたいですけども。不器用なんだよねブッチ…。
善悪ってなんだろう、友情って、父親って、ああ旅はいつか終わるから旅なんだよね…とかせつなくなってるところ、潔いほどの当て馬の登場によって、観る者すべてが悔しさを覚えて終わります。
誰かに感情移入するとかでなく、いま観客全員同じ気持ちだわって思えるラストシーンはそうない。それってのめり込んでいるレイヤーから一段引いてしまってる状態なんだけど、なんだかこの映画の場合はそれもいいなあと思える。