火星でぼっちなポテトマンことマーク・ワトニーは、主人公であり狂言回しでもある。それを成り立たせるのは、マット・デイモンの、まじりっけなしのユーモアと自分を律する知性。
ユーモアと知性、それから探究心と緊張感。それがすべてで、十二分にそれらを楽しむには、マーク・ワトニーに家族や恋人の影がないことがとても効いている。映画にとって、時に家族愛や恋愛はただのノイズだ。
こんなに粋な映画を成立させようと目論んだリドリースコットとそのクルーは、マークワトニーを火星から帰還させようとするクルーと同じくらいカッコいい。
だらだら好きなシーンを書いちゃいそうなくらい、好き!