三四郎

東京ラプソディの三四郎のレビュー・感想・評価

東京ラプソディ(1936年製作の映画)
3.0
1930年代の華やかなりし帝都東京を観ることができる!
クレジットが斬新で一人一人登場人物が「東京ラプソディ」を歌っていき役名と名前が俳優陣の胸元に出てくるが、当時の他のP.C.L(現東宝)作品も同じような演出をしているものがいくつかある。同時代でも松竹作品ではお目にかかれぬ演出だ。
走るシーンがコマ送りに見えるが、これは意図的かしら笑
「人間ってあんまり幸福だと、かえって不安になるものね…いつか幸福が逃げていくような気がする」
伏水修監督は、『支那の夜』でもネオン街を背景にラブシーンかつ歌うシーンをロマンチックに演出している。
この構図がきっと好きだったのだろう。

さて、やり手女マネージャーはいつの時代にも存在し、さらに言うことが違うなぁ笑 これから大々的に売り出して、私があなたを人気歌手にするから、今までの友人や恋人と遊ぶ暇なんてないというようなことを言い、「遊び相手に私がなってあげてもいいわ」とまで…。純情な若い男女を容赦なく引き裂く。

友人たちや幼馴染の芸者もみんな心優しく粋な人。友人の為に一緒になって喜んだり心配したり本気になって怒ったり…、戦前の日本映画の良さだ。
たわいない筋だが、微笑ましい。
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