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最後の誘惑のotomのレビュー・感想・評価

最後の誘惑(1988年製作の映画)
4.3
タイトルの如しな具合。最後の最後まで人間くさい弱さが付きまとう筋は結構新鮮。性と聖に悩んだかと思えば神がかりで目が据わり、そうかと思えば豆腐の様に瓦解するジーザス・デフォーがかなり頑張ってる。豪華出演による金のかかった学芸会な雰囲気も無きにしも非ずな感じなんだけど、それを越えて最後のとこが兎に角やりたかったんだってのは良く分かる。好みで言えば'80年代以降のスコセッシの狙ってる感とこれ見よがしなアナーキー感があんまり好きではないものの、終わってみればなかなか面白かった。大袈裟オリエンタル過ぎなピーター・ガブリエル劇伴(EDは良い)や前衛っぽいのを挿入なんかはチト寒い感じだけども、時代的には仕方ないか。ピラト・ボウイとジョン・ルーリーの無駄遣い感は嫌いじゃない。熱い感じなハーヴェイ・カイテルのユダも良かった。
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