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汚れなき悪戯のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

汚れなき悪戯(1955年製作の映画)
3.8
クリスマスが近いので、神の奇蹟を描いた映画を観ました。これは時代背景を考慮しても、この宗教的メッセージには疑問符がつきました。よく考えるとかなり怖いです。

原題は「パンとワインのマルセリーノ」。聞き覚えのある有名な主題歌(マルセリーノの唄)でした。原作はイタリアの民間伝承を小説にしたもの。原作は14世紀のイタリアですが、映画はスペイン舞台です。

冒頭で、マルセリーノを祝う祭りの日、一人の修道士がなかなか病の治らない少女の家でマルセリーノの話を始めます。少女は知りたいと言い、両親は少し躊躇します。

修道院の前で生後1週間の赤ちゃんが置かれていて、修道士たちは親を探したり、養父母を頼んだりしましたが、結局12人の修道士が育てることにしました。マルセリーノと名付けられ、たっぷりの愛情に包まれ5歳に育ちます。マルセリーノ役の少年の可愛らしさ、まるで天使です。でも悪戯っ子。修道士たちはてんてこ舞いします。悪戯をしだしたのは自分だけ母親がいないことを知り、寂しさからでした。

それで、開けてはいけないと言われていた部屋を開けると…(中略)…マルセリーノに✨奇蹟✨が起きます✴️

修道士たちの祈りの姿はまるでエル・グレコの絵画のようでした。

民間伝承なので、現代の価値観や理屈で考えてはいけないのはわかっていますが、なぜなぜなぜの疑問符だらけになりました。

民間伝承とはその時代の苦しみを癒す役割があるのはわかっているのですが。


✴️ネタバレ、疑問符はコメント欄に。
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