イチロヲ

汚れなき悪戯のイチロヲのレビュー・感想・評価

汚れなき悪戯(1955年製作の映画)
3.8
村の修道院で養われている孤児の少年が、母親との再会を待望するうち、キリスト像との意思疎通を始めるようになる。19世紀前半のスペインを舞台にして、信仰の在り方を説いているヒューマン・ドラマ。

スペインにてキリスト教が迫害されていた時代の物語。惨めな境遇に置かれている少年が、イエス様の教示を受けてナンタラカンタラという、「製作当初は」キリスト教礼賛映画。しかし今現在では、信仰の表と裏を考えさせられる宗教映画へと変容。本作を名作たらしめる所以は、まさにそこにある。

本作の居心地の悪さは、神父たちによる「神のご意思のもとでの子育て」に集約されている。神父たちは、宗教上、都合のよい環境を整えることで、聖人君子を育て上げようとする。これを「善きこと」としているのが、何ともモヤモヤさせられる。

一応のところ、私は無神論者の立ち位置なのだが、決して信仰者を邪険にしているわけではない。神様は困っている人に癒やしを与えてくれる存在であり、その救済に助けられている人がいることも事実。神様を信じる・信じないは個人の自由。信じる人には頭の中に現れるし、信じない人には現れない。ただ、それだけのこと。これが、私の個人的見解。(別の作品レビューでもまったく同じ結びにしたような気がするけれど、まあいいや)