女優という(柔らかな権力)
アルベルト・ラットゥアーダ
『アンナ』
一にもニにも製作者ディノ・デ・ラウレンティスが妻シルヴァーナ・マンガーノという女優を中心化させる事に成功させた映画。
もちろんマンガーノという女優固有の美しさからのみ、もたらされた成功ではありません。
演出のみならず、撮影、照明、美術などの技術パートから共演者たちとのアンサンブルに至るまでマンガーノという女優の中心化の責務を負わされた結晶です。
やがては貌そのものが裸の肢体と等価であるような倒錯をもたらしてくれます。
女優はこうして自身が解体されていくような気がしました。