Maririri

息もできないのMariririのレビュー・感想・評価

息もできない(2008年製作の映画)
4.1
ヤン・イクチュン監督作品。
ヤミ金業者でチンピラのサンフン(ヤン・イクチュン)と女子高生のヨニ(キム・コッピ)がお互い恋してくのがふんわり伝わってくるんだけど、きっと悲しい結末なんだってのも感じてしまう。なのに最後までハッピーエンドを願わずにはいられない。うまく言葉で伝えられないな…、もどかしい。

日本版の赤とピンクポスターの色味が、ストーリーの機微をとてもよく表してる気がするんだけど、キャッチコピーどうにかならないのかな?(クライマックスばらしやがってこのやろう)

おっと…、取り乱しましたが会話劇の最高作品です。ふたりの間がすばらしい。
キム・コッピちゃん天才。

一見すると暴力的だけどノワールに比べたらかわいいもんだ。描かれる題材の根底に「父権主義」という韓国文化の悪しき名残が見え隠れし、サンフンもヨニもこの呪縛に悩まされている。このほうがよっぽど辛い。これがヤン・イクチュンという人の実際の家族との関係性をベースにしているのはよくわかるのだけど、でも実はとてもロマンチストなんじゃないかなって思う。

切なくて攻撃的で不器用な優しさに心揺れ動く作品。
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